動物の値段

先日本屋で見かけて以降、ずっと気になっていた本を買いました。勉強が一段落着いたのでやっと読めます。その前にみうらじゅんの『ボク宝』も買ってしまったのですが(ぁ

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で、上の『動物の値段』です。呼んで字のごとく「動物の値段」について紹介している本で、みなさんの気になる人気動物がどの程度のお値段で取引されているのかなんかを写真付きで確認できます。


と、これだけだとなんかカタログみたいな本ですが、内容はカタログ的ではなくて、輸送の話とか飼い方とか、そしてもちろん動物を扱う以上、保護とか絶滅危惧とかそういったことにも触れております。


著者は「動物輸入商」ということで、世界中の動物をどう手に入れてどう扱うかについてしっかり書かれています。


動物だけでなくて、世の中のことというのはもうほとんどが人間に支配されていて、人間活動が世界を左右する時代なわけですが、動物達の世界も、人と切り離すことなぞとてもできるわけがなく、私たちがどう行動するかで彼らの生き方も決まってしまいます。


考え方としては非常にユニークと言うか、知らなければ知らないままだった視点が多いです。まだ序盤しか読んでいませんが、「はじめに」で書かれていた内容では「ワシントン条約」の考え方なんかが特に。「ワシントン条約」に書かれているなんて聞くとと私たちは「保護」とか「絶滅危惧」とか直感的に考えてしまうのですが、なるほど、取引される総量が絶対的に多いとかみんなが欲しいとか、ようは需要があるからそれに対する決め事が必要なわけです。なので、実際に稀少だったりしてもみんなが見向きもしない生き物はこの条約には含まれていないし、単純に人の生活にもそうそう入ってくることのない生き物ということになります。


この「無視される」というのは「人間からの価値観」で全て判断されていると言うことを示唆しているわけで、人間が価値を感じることなく考えられているものは排除されるか、触れられることなく安定してそこにあり続けるかのどちらかということになります。


日本での動物達は多くは動物園で見るものですし、日本固有種よりも世界的スター達(キリンとかライオンとか)がやはりメインとなってきます。そのせいか、動物は見に行くもので癒されたり楽しんだりとかそういう側面をになっていますが、ある地域や国ではそれこそが外貨獲得のための重要手段であったり、生きていく糧だったりもするわけです。資本主義の中の動物達という側面も非常に重要な視点だと思います。


動物達のことを少し勉強すると、それと同時にエネルギー(食べて寝る)のこととか体のサイズ(生活圏)のこととか、人間の社会を考える上で重要な要素もふんだんに含まれてきます。彼らも生き物である以上、私達と同様に基本的生活(食べて寝て繁殖して)を営むので、我々ヒトがそれらを乗り越えてきたことを実感したり、彼らが生きられないところでは私達も生きられないんだということなんかを痛感するわけです。


ヒトもまず地球あっての生き物なので、コロニーに行けばとか地下都市でとりあえず生活していつかイスカンダルにとか月に移住とか無茶苦茶なことの前にまず地球をなんとかすべきでしょう。そういやガンダムとかにあんまり動物出てきませんね。ヒトがだましだまし暮らしているような状態の世界ということかもしれません。


動物が好きだから、もっと動物のことが知りたい。ムツゴロウさんではないですが、もっと良く知ることは日本人にとって必要なことだと思います。これは全てのことにおいて。誰もが言う「日本人は自分のこと(自国のこと、社会のこと)を何も話せない」という海外の方の評価ですが、もっと世の中のことがどうなっているのかは知る必要があると思います。ヒトとして生まれた責任は果たさなければならないのかもしれません。


まとまりがなくなってきたので〆。本を読み終わったまたなんか書くでしょう。明日辺りには読み終わってしまいそうですが。ちなみにそれくらい読みやすい本です。興味があれば是非。