ロック

先日のライブは楽しかったですよ、と。とりあえずやりたい放題やらせていただいた感じです。個人的にはどれももう少しスタジオとか入っておきたかったなという感じですが、楽しくやれたので満足です。基本的には弾けてなかったのですが。


んで、ずっと借りていた『ロックミュージックの社会学』(南田勝也 青弓社)とやらをやっと読み終わりまして、ウッドストックのDVDを見たばかりだというのもあっていろいろ思うところもあったりしたり。とりあえず学問的には守備範囲なので脳味噌使っています。



日本におけるロック体験というか、土壌というものはわたしらの世代で既に見つけることはできないし、直接的な流れは感じられないわけです。わたしはあんまり「X」とか聴かなかったのですが、日本でロック、というとB'zとかBOOWYとかイエモンにグレイにラルクという感じで。ボウイに関しては氷室とか布袋のソロが先ぐらいの感覚なので、ボウイ以前/以後で言えば以後ですし、産業ロックかヴィジュアル系かといった感じで、後はインディーのパンクでスネイルランプとかハイスタとかニコチンとか。それでもかなりメジャーとして見えるパンクバンドで、アングラなところではないし、ロックの担い手をヒップホップに見るといってもユーザロックぐらいしか聴いたことなくて、やっぱりロック体験としてはいわゆるJ-POPしか知らないのです。あえてJ-ROCKとするならば、そんなJ-ROCKが再生産されているかといわれれば、現代ではまたそれは違うのかなーという感触もあるし、わたし的には見ている音楽番組によって結構好みって分かれているとも感じたり。いわゆる長くやっている音楽番組でMステやCDTVあたりが有名というかわたしは知らないのですが、その辺と比べて、深夜帯のよくわからん番組とかケーブルテレビだとかスカパーだとかBSとか、別路線だとまたそれがレゲエだったりユーロビートだったりテクノだったりオールディーズなロックやソウルだったりして。で、番組を見る時間帯とかって結構社会的な立場とかで規定されてくるとも思うわけです。社会的な立場って言うのは歳であるとか職業であるとか。
ロック体験という意味で、貧困とか反社会とか若者文化とか、日本の若者にとってというか、わたしも含めた世代って最初から与えられた社会であったり文化であったり、本当は「それって正しいの?」とか「なんでそうなの?」とか思うべき瞬間ってたくさんあったんじゃないかって思ったり、今でもそれはあるんじゃないかって思うべきところなのかもしれないんだけど、実際それがすごい衝撃になって音楽をするかっていったら、結局あんまり大した衝動でもないのかななんて思うわけです。選挙に行かないのと一緒って言うか。選挙に行かないって言うよりは候補者の公演に行かないって言う感じなのかな。システムに組み込まれたらもうそこでなんも感じられなくなっちゃうって言うか、他人に興味を抱けなくなってるのかもしれないし、世界がほんとに小さくなって、けれでやっぱり人一人には背負い込めないくらい情報とかが存在して、狭いけど多いことがわかっちゃったりして、そんなだから大きなことよりも小さなこと、隣にいる人のこととか、自分の身近な人とかそういったことにしか興味がないのかななんて。
ウッドストックなんか見てて、すっげー!ってやっぱり思うんだけど、実際にその場にもいないしその時代背景とか、そもそもアメリカ人じゃないし、偉業とか歴史的なとか、頭ではわかるんだけど、やっぱり「体験」するっていうのが何よりも大事で。百聞は一見にとか、その空間に身を置くと「ああ、こういうことか」ってわかるものってやっぱりあるし、そこに生まれるものなのかもしれない。
音楽ってなんなのかみたいなのが大事な気もしてる。どうして音楽のジャンルがあるんだろうって。卓越化し過ぎた先って共感とか共通体験じゃなくて、自分だけの世界で、わかってもらうことも考えないで自分の中に中に入っていっちゃうだけだと思う。ロックの寿命って多くの人に受け入れられたときに終わっちゃって、それまでがロックなんじゃないかって。結局ロックってなんだかわかんないし、でも音が鳴っているのはわかるし、それは耳が聴こえない人にもわかると思ってる。だって、振動が前からぶつかってくる。やさしい音はそういう波が、激しい音もそういう波が体に当たるから、ちゃんとわかる。それって歌や詩もそうだと思う。よく言うのが、意味はわからないけど、綺麗な言葉だね、やさしい響きの言葉だとか。そういうことだと思う。
わたしたちは与えられているからロックをやっているだけで、ロックを生み出してないけど、そのエネルギーはやっぱり体を動かすし気持ちも動かす。与えられているだけってすごいマイナスなイメージがあるけど、音楽を与えてくれた先人には感謝をしなきゃいけないと思う。で、やっぱり最高だっていえる曲はみんな「オレはこう思ってるんだけどみんなは?」って押し付けがましくないモノだと思う。だって押し付けちゃうのは凄く閉鎖的だし、つまらないと思う。「みんなは?」の後にはみんなの反応がちゃんとあるはずだから。それでまた「そうか、じゃあオレはこうしてみるよ」って。そこにはそこにしかないノリが生まれるから。ロックとかそういうのはわかんないけど、音楽はわかるようになりたい。


全然社会学的じゃないけど、音楽ってこんな感じだと思う。

ロックミュージックの社会学 (青弓社ライブラリー)

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ディレクターズ・カット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 [DVD]

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